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LLP動物法務協議会関東ブロック > メールマガジンバックナンバー > Vol.84
ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン バックナンバー |
動物法務協議会 Presents 〜 Vol.84
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◆ ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン ◆
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『ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン』は
動物法務協議会が発行する動物関連のメールマガジンです。
動物に関する裁判や事件、法令改正の情報や
ペットトラブルに関する記事、エッセイ等をお届けします。
───────────── ◆ ───────────── 今回も”狂犬病 ”について触れてみたいと思います。
茨城県では、平成13年12月に厚生労働省健康局結核感染症課から
示された「狂犬病対応ガイドライン2001」に基づき、狂犬病が発生
した場合の初期のおける「茨城県狂犬病対応マニュアル」を作成し、
関係先に配布しておりますが、今回は、同マニュアルを含め、他の
資料等を参考にしながら、前回の記事の補筆をかね
○ 狂犬病危険動物に咬まれた場合の対応
○ 人や犬に現れる狂犬病の主な症状
等について、まとめてみました。
1・狂犬病危険動物に咬まれた場合の対応
特に、海外においては、地域によって狂犬病危険動物が異な
っていると言われておりますので、海外旅行にあたっては理解
しておく必要があると思います。
・ア ジ ア〜犬・猫
・ア フ リカ〜犬・マングース・ジャッカル・猫
・ヨーロッパ〜キツネ
・北 米〜コウモリ・アライグマ・スカンク・キツネ
・中 南 米〜犬・コウモリ・コヨーテ・猫
海外旅行中に咬まれた場合、その地域や加害動物又は、咬傷
部位や程度によっても対応は異なりますが、狂犬病発生地域等
において咬まれた場合は、取りあえず次の措置をとる事が必要
であると言われております。
(1) 直ちに傷口を流水と石鹸水で十分に洗浄する。
(2) 70%エタノール又は、ポピドンヨード液で消毒する。
(3) 専門医の診察を受け、ワクチン接種を行う。
マニュアルでは、組織培養不活化狂犬病ワクチンを
初回接種日を 0日として、0・3・14・30日の5回接種する
必要があるが、場合により、90日に6回目の注射をする。
と記されております。
なお、予防ワクチン注射をしている場合は、2回のワク
チン注射でも良いとも言われております。
(4) マニュアルでは、必要に応じてヒト狂犬病免疫グロブリン
20IU/kgを出来るだけ傷口に注射すると記されています。
2・人や犬に現れる狂犬病の主な症状
(1) 人の主な症状
咬傷部位から侵入した狂犬病ウイルスは、神経系を介して
脳神経組織に到達して発病し、その感染の速さは日に数ミリ
から数十ミリといわれております。
したがって、顔を咬まれるよりも足先を咬まれた方が咬傷
後の措置の日数を稼ぐことが出来る結果となり、逆に脳組織
に近い傷ほど潜伏期間が短く、発症が早くなると言われます。
症状としては、最初は、風邪に似た症状のほか、咬傷部位
に かゆみ(掻痒感)や発熱等がみられる。次第に不安感や
恐水症状(水などの液体を飲み込むと強い痛みを感じるよう
になり、水を極端に恐れるようになる)が現れ、さらに進む
と、興奮性や麻痺、精神錯乱などの神経症状が現れ、その
2日から 7日後に昏睡状態が現れ、呼吸障害によって死亡する
と、言われています。
(2) 犬の主な症状
・ 前駆期(一般に 2〜3日)
挙動不審や気まぐれ過敏等行動異常が見られ、恐怖心
による興奮と飼い主に対する反抗、異物を好んで咬んだ
り、咬傷部位の掻痒、性欲の亢進、発熱、瞳孔散大等の
症状が見られる。
・ 興奮期(1般に 1〜7日)
徘徊や目に入る物を咬むなど興奮状態が見られ、喉頭
筋の痙攣によるほえ声が掠れたり、光や音に過敏な反応
を示したり、外形的に顔面が険悪化したり、筋肉組織が
萎縮しはじめたりすると言われます。
・ 麻痺期(一般に 2〜3日)
全身に麻痺状態が現れ、歩行が不能となり、舌を口外
に垂らしたままの状態となる。時折、むせるような発生
音を出す(<注> このとき飼い主が犬ののどに物が
詰まったと思い、取り除く行為をして狂犬病ウイルスに
汚染される場合があると言われておリます。)その後
昏睡状態となり、死亡する。
と言われております。
狂犬病患者の場合、潜伏期が大半で 1〜3ヵ月と長く、しかも
発症する前は、狂犬病ウイルス感染の有無を知る手段がないのみ
ならず、現在でも、狂犬病ウイルスに有効な薬剤がない為、狂犬
病と診断された患者は、数日ないし、1〜2週間の内に死亡すると
言う運命を受け入れなければならない現状にあるところから、
「狂犬病」という診断を告知する際には、患者本人に対する精神
的な支援とあわせ、患者の家族に対する精神的援助も考慮しなけ
ればならないし、加えて、患者と接触した家族には、狂犬病患者
の唾液を介して狂犬病ウイルスに侵されている可能性もあるとこ
ろから、その対応についても指導しておくことが大切であると
言われており、私自身、狂犬病対策の重要性を痛感した次第であ
り、今後なお一層、海外旅行者や、平穏に共生しているペット愛
好者等に警鐘を鳴らしたいと考えております。
(文責:大内)
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