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LLP動物法務協議会関東ブロック > メールマガジンバックナンバー > Vol.53
ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン バックナンバー |
動物法務協議会 Presents 〜 Vol.53
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◆ ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン ◆
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『ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン』は
動物法務協議会が発行する動物関連のメールマガジンです。
動物に関する裁判や事件、法令改正の情報や
ペットトラブルに関する記事、エッセイ等をお届けします。
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東京都杉並区で「飼い猫の登録制」や「飼い主のいない猫への無責任
な餌やりを規制」する条例を検討しているのをご存知でしょうか。
杉並区では、動物に関する苦情・要望・相談が年間1000件
近く寄せられる中、猫については飼い主のマナーの悪さや飼い主の
いない猫の糞尿や鳴き声などの苦情がその5割、約500件を超える
そうです。
こうした状況を受け、杉並区では動物と人間が地域社会の中でいかに
共生していくかのルール作りに向け、獣医師や動物愛護団体などに
よる「動物との共生を考える懇談会」を設置し、その協議の報告に
基づき、現在は「共生具体化検討委員会」において検討されています。
この中で、平成19年度に猫の任意登録制度を実施し、結果をふまえ
平成21年度の義務化を目標に検討を行うとし、飼い主のいない猫
に対して無責任に餌を与えることへの罰則も含めることが考えられて
いるようです。
実際、杉並区だけで殺処分される猫は年間1300匹を越えていて
ほとんどが捨てられた猫とその子猫であるということは、不幸な猫が
今も生まれ続けているという現実を避けるわけにはいかないでしょう。
区としても、飼い主のいない猫を増やさない対策として獣医師会の
協力を得て不妊・去勢手術への助成を行っていて、今年度も予算を
増額して対処する考えとのこと。
要するに登録制とは、飼い主に適正な飼養の責任を自覚してもらう
ことと、個体識別を容易にすることによって災害時の対応としても
有効であり、餌やりへの規制を加えることで猫問題に対する一定の
効果を期待しています。
しかし条例への検討に対し、効果を疑問視する声があがっています。
「猫を捨てるような人間が、登録制にしてからといって従うとは
思えず、捨て猫防止にはつながらない」
「自費で不妊去勢手術をし、近隣に迷惑をかけない適正な餌やりと
無責任な餌やりとを誰が何をもって判断するのか」
一方賛成派は、当然罰則をもって厳しく規制すべきという意見です。
これについては、罰則をたてに苦情が先鋭化し、住民同士の対立を
あおりかねないとの危惧も指摘されています。
義務を課し、罰則を設けることへの反発はある程度予想されると
すれば、ここはまず登録制や罰則を導入する以前に、捨て猫を
増やさないための普及活動と地域猫活動の推進と支援に、行政が
積極的な取り組みをしていると、より多くの区民にみえる形が
望ましいのではないかと考えます。
そもそも飼っている動物を捨てるという人間の行為が最大の問題
であり、これに対しては厳罰をもって対処するくらいの気概が
あってもいいと、私は思うのですが。
本当の意味での動物との共生を考えたとき、感情的な議論に出口はなく
「動物が好きな人は嫌いな人への配慮、嫌いな人は好きな人への理解」
に尽きるのではないかと思う次第であります。
(文責:河野基史@行政書士河野事務所)
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kohno/
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