|
|
LLP動物法務協議会関東ブロック > メールマガジンバックナンバー > Vol.112
ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン バックナンバー |
動物法務協議会 Presents 〜 Vol.112
◆───────────────────────────◆
◆ ◆
◆ ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン ◆
◆ ◆
◆───────────────────────────◆
『ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン』は
動物法務協議会が発行する動物関連のメールマガジンです。
動物に関する裁判や事件、法令改正の情報や
ペットトラブルに関する記事、エッセイ等をお届けします。
───────────── ◆ ─────────────
今日は「ペット契約とトラブルの実例(5)」です。
前回の続きです。相談を要約するとこうでした。
・ A男とB女は、同棲中に飼っていたワンコがいた。
・ ワンコの法律上の所有者はA男。
・ 二人の破局後もワンコは交互に世話をすることに決めた。
・ 毎週土曜・日曜はA男が、月曜から金曜まではB女が、
夫々の住まいで面倒を見ることになった(口約束)。
・ その後、A男からB女に対して≪今後、ワンコは僕が面倒を見る。
君には預けない。≫旨、通告があった。
・ 今、ワンコはB女の下にあるが、B女はA男の要求を拒んだまま、
土曜、日曜 も自分の住まいで世話をしている。
・ A男は次の主張をして、ワンコの返還を求めて裁判を
起こす気でいる。
1) 法律上、ワンコの所有権は自分にある。
2) B女は自分のワンコを預かっているだけだ。
3) 土曜・日曜はもともと自分が世話をする、という
約束なのに、
B女はその約束を破っている。
・・・この場合、どちらの言い分が正しいか?
前回は、A男さんが主張するような、「寄託契約」は、
この二人の間には成立していない、というお話をしました。
なぜなら、寄託というのは、当事者の一方が他方当事者に
「物の保管」を頼み、相手方は「保管する」という義務を
負うに過ぎないものだからです。
ところが、本件では、A男さんとB女さんとの「約束」において、
単に「保管する」だけに止まらず、「お互いが世話をすることを
認め合う」という権利・義務関係が生じているのです。
こういう当事者の契約関係は「寄託契約」とは言いません。
では、何という契約でしょう?
実は民法には「契約」の種類として13の種類が定められています。
よく聞く「売買」とか「賃貸借」なども含まれます。
その中に本件のような約束を内容とする契約はあるでしょうか?
・・・これはどうもなさそうです。
注意したいのは「ワンコの世話をしろ」という「委任契約」が成立
しているのではないか? という点ですが、これは違います。
委任というのは、相手に「これをやってくれ」と頼む契約ですが、
この契約は「ワンコの世話をしてくれ」と相手に頼むものではあ
りません。
むしろ「自分に世話をさせろ」という内容です。もっと言えば、
「自分が世話をしたいから、それを我慢して認めろ。」・・・と
いう内容の権利が相互に向かい合った形で成立しているのです。
こういう、民法に規定のない契約は無効なのか?
というと、そうではありません。
民法の大原則に「契約自由」というものがあります。
契約内容は、原則として当事者が自由に決めてよい、というもの
です。
こういう民法に規定のない契約も「無名契約」といって、認められ
るのです。
ですから、A男さんとB女さんとの間には「ワンコの世話を
することを相互に認め合うこと」を内容とする契約が成立して
いるのです。
続きは次回に。
(───────────── ◆ ─────────────
(文責 サムライ塾 代表 里 武一郎)
ブログには、法律の勉強のしかたを丁寧に書いています。
是非、ご覧になってください。
行政書士試験に合格したい方は必読です!!
■ブログ http://blog.livedoor.jp/take11922/
─────────────── ◆ ───────────────
LLP動物法務協議会関東ブロック | 動物関連セミナー | 動物事業コンサルティング
動物関連講習会講師派遣 | 出版物企画・販売 | 動物関係法令集
お役立ち書籍 | お役立ちリンク | 組合員名簿 | 事務局案内 | お問い合わせ
|