|
|
LLP動物法務協議会関東ブロック > メールマガジンバックナンバー > Vol.111
ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン バックナンバー |
動物法務協議会 Presents 〜 Vol.111
◆───────────────────────────◆
◆ ◆
◆ ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン ◆
◆ ◆
◆───────────────────────────◆
『ペットトラブル・ペットビジネス強力サポートマガジン』は
動物法務協議会が発行する動物関連のメールマガジンです。
動物に関する裁判や事件、法令改正の情報や
ペットトラブルに関する記事、エッセイ等をお届けします。
───────────── ◆ ─────────────
今日は「ペット契約とトラブルの実例(4)」です。
前回の続きです。相談を要約するとこうでした。
・ A男とB女は、同棲中に飼っていたワンコがいた。
・ ワンコの法律上の所有者はA男。
・ 二人の破局後もワンコは交互に世話をすることに決めた。
・ 毎週土曜・日曜はA男が、月曜から金曜まではB女が、
夫々の住まいで面倒を見ることになった(口約束)。
・ その後、A男からB女に対して≪今後、ワンコは僕が面倒を見る。
君には預けない。≫旨、通告があった。
・ 今、ワンコはB女の下にあるが、B女はA男の要求を拒んだまま、
土曜、日曜 も自分の住まいで世話をしている。
・ A男は次の主張をして、ワンコの返還を求めて裁判を起こす気でいる。
1) 法律上、ワンコの所有権は自分にある。
2) B女は自分のワンコを預かっているだけだ。
3) 土曜・日曜はもともと自分が世話をする、という約束なのに、
B女はその約束を破っている。
・・・この場合、どちらの言い分が正しいか?
前回は、A男さんの主張2)にある、「B女は自分のワンコを預かって
いるだけだ。」のは、「寄託契約」の成立を意味しますが、本当に
この内容の契約が成立しているのでしょうか?
・・・というところで終わりました。
そこで、≪相談の要約≫の文を読んでみると・・・。
「・ 二人の破局後もワンコは交互に世話をすることに決めた。」
「・ 毎週土曜・日曜はA男が、月曜から金曜まではB女が、夫々の住
まいで面倒を見ることになった(口約束)。」
とあります。
これは果たして、A男さんがB女さんに「物を預けて、保管させる」
という寄託契約になるのでしょうか?
・・・私は、「ならない」と思います。
こういう当事者の関係を分析する際は、
1 A男さんはB女さんにどんな権利を持っているのか?
2 反対に、B女さんはA男さんにどんな義務を負っているのか?
更には、
3 B女さんはA男さんにどんな権利を持っているのか?
4 反対に、A男さんはB女さんにどんな義務を負っているのか?
・・・これを考えてみるとわかりやすくなります。
「権利」と「義務」というのは、ちょうど裏返しの関係になります。
順を追って、丁寧に考えて見ましょう。
1 A男さんはB女さんには「毎週土曜・日曜は自分に世話をさせろ」
という権利を持っています。
2 すると、B女さんはA男さんに対しては「毎週土曜・日曜はA男
さんが世話をすることを認める」という義務を負っていることになり
ます。
ですから、B女さんは土曜・日曜はA男さんがワンコの世話をする
ことを邪魔してはいけません。
3 B女さんはA男さんには「毎週月曜から金曜までは自分に世話を
させろ」という権利を持っています。
4 すると、A男さんはB女さんに対しては「毎週月曜から金曜までは
B女さんが世話をすることを認める」という義務を負っていることに
なります。
ですから、A男さんは月曜から金曜まではB女さんがワンコの世話
をすることを邪魔してはいけません。
・・・この二人は、こんな「権利・義務」の関係が成り立っているのです。
とすると、A男さんが主張するような、「寄託契約」は成立していると
いえるでしょうか?
これは「難しい」、といわざるを得ません。
続きは次回に。
(───────────── ◆ ─────────────
(文責 サムライ塾 代表 里 武一郎)
ブログには、法律の勉強のしかたを丁寧に書いています。
是非、ご覧になってください。
行政書士試験に合格したい方は必読です!!
■ブログ http://blog.livedoor.jp/take11922/
─────────────── ◆ ───────────────
LLP動物法務協議会関東ブロック | 動物関連セミナー | 動物事業コンサルティング
動物関連講習会講師派遣 | 出版物企画・販売 | 動物関係法令集
お役立ち書籍 | お役立ちリンク | 組合員名簿 | 事務局案内 | お問い合わせ
|